安全管理規定(株式会社 AT LINER)

安全管理規程-株式会社 AT LINER-

第一章 総則

(目的)
第一条 この規程(以下「本規程」という。)は、道路運送法(以下「法」という。)第二十二条(輸送の安全性の向上)及び第二十二条の二(安全管理規程等)の規定に基づき、輸送の安全を確保するために遵守すべき事項を定め、もって輸送の安全性の向上を図ることを目的とする。

(適用範囲)
第二条 本規程は、当社の乗合・貸切旅客自動車運送事業に係る業務活動に適用する。

第二章 輸送の安全を確保するための事業の運営の方針等

(輸送の安全に関する基本的な方針)
第三条 経営トップは、輸送の安全の確保が事業経営の根幹であることを深く認識し、社内において安全管理体制の継続的改善による輸送の安全の確保、及び関係法令の遵守に主導的な役割を果たす。また、現場における安全に関する声に真摯に耳を傾けるなど現場の状況を十分に踏まえつつ、従業員に対し輸送の安全の確保が最も重要であるという意識を徹底させる為の「安全方針」を策定するとともに、従業員への理解度・浸透度を定期的に把握し、必要に応じて見直しを行う。

2 経営トップ及び安全統括管理者は、輸送の安全に関する計画の策定、実行、チェック、改善(Plan Do Check Act)を確実に実施し、安全対策を不断に見直すことにより、全従業員が一丸となって業務を遂行し、絶えず輸送の安全性の向上に努める。また、輸送の安全に関する情報については、積極的に公表する。

(自社の現状把握および輸送の安全に関する安全重点施策)
第四条 経営トップは、前条の輸送の安全に関する方針に基づき、「リスク評価表」によって自社の現状を把握し、交通事故につながるリスクや課題の解決・改善を図る為に、次に掲げる事項を実施する。
 一 輸送の安全の確保が最も重要であるという意識を徹底し、関係法令及び安全管理規程に定められた事項を遵守すること。
 二 輸送の安全に関する費用支出及び投資を積極的かつ効率的に行うよう努めること。
 三 輸送の安全に関する内部監査を行い、必要な是正措置又は予防措置を講じること。
 四 輸送の安全に関する情報の連絡体制を確立し、社内において必要な情報を伝達、共有すること。
 五 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し、これを適確に実施すること。
2 持ち株会社及び傘下のグループ企業が密接に協力し、一丸となって輸送の安全性の向上に努める。

(輸送の安全に関する目標)
第五条 経営トップは、第三条に掲げる方針に基づき、年度毎に達成状況を検証・評価できる数値等を組み込んだ目標を策定する。

(輸送の安全に関する計画)
第六条 経営トップは、前条に掲げる目標を達成するために、輸送の安全に関する安全重点施策に応じて、責任者、手段、実施期間・日程等を明らかにした輸送の安全を確保するために必要な計画を現場の実態を踏まえたうえで改善効果が高まるよう配慮し作成する。また、策定した計画については、「輸送の安全に関する計画及び実績表」により必要に応じ、進捗・達成状況を把握し、少なくとも年に一度の見直しを行う。

第三章 輸送の安全を確保するための事業の実施及びその管理の体制

(経営トップ等の責務)
第七条 経営トップは、輸送の安全の確保に関する最終的な責任を有する。
2 経営トップは、輸送の安全の確保に関し、予算の確保、体制の構築、重大な事故への対応等必要な措置を講じる。
3 経営トップは、輸送の安全の確保に関し、安全統括管理者の意見を尊重する。
4 経営トップは、輸送の安全を確保するための業務の実施及び管理の状況が適切かどうかを常に確認し、年に一回マネジメントレビューを実施し、リスクの補強に必要な改善を行う。
5  経営トップは、「安全方針」・「安全重点施策」を策定し、関係法令等の遵守と安全最優先の原則を事業者内部に周知するとともに、理解度及び浸透度の把握に努める。

(社内組織と責任権限)
第八条 経営トップは、次に掲げる者を選任し、「ガイドライン部署等対応表」により輸送の安全の確保について責任権限のある体制を構築し、輸送の安全を確保するための企業統治を適確に行う。
 一 安全統括管理者
 二 運行管理者
 三 整備管理者
 四 その他必要な責任者(安全統括管理補助者等)
2 営業所長は、安全統括管理者の命を受け、輸送の安全の確保に関し、営業所内各課を統括し、当該営業所の従業員に対し指導監督を行う。
3 輸送の安全に関する組織体制及び指揮命令系統については、安全統括管理者が病気等を理由に不在である場合や重大な事故、災害等に対応する場合も含め、安全管理体制図(組織図)による。

(安全統括管理者の選任及び解任)
第九条 経営トップは、取締役及び役職者のうち、旅客自動車運送事業運輸規則第四十七条の五(安全統括管理者の要件)に規定する要件を満たす者(事業用自動車の運行の安全確保に関する業務、又は、点検及び整備の管理に関する業務に、通算して三年以上従事した経験を有する者。)の中から安全統括管理者を選任する。
2 安全統括管理者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該管理者を解任する。
 一 国土交通大臣の解任命令が出されたとき。
 二 身体の故障その他のやむを得ない事由により職務を引き続き行うことが困難になったとき。
 三 関係法令等の違反又は輸送の安全の確保の状況に関する確認を怠る等により、安全統括管理者がその職務を引き続き行うことが輸送の安全の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき。

(安全統括管理者の責務)
第十条 安全統括管理者は、次に掲げる責務を有する。
 一 全従業員に対し、関係法令等の遵守と輸送の安全の確保が、最も重要であるという意識を徹底すること。
 二 輸送の安全の確保に関し、その実施及び管理の体制を確立、維持すること。
 三 輸送の安全に関する方針「安全方針」、「安全重点施策」、「目標及び計画」を誠実に実施し、事業者内部へ周知徹底するとともにその効果把握に努めること。 
 四 輸送の安全に関する報告連絡体制を構築し、従業員に対し周知を図ること。
 五 輸送の安全の確保の状況について、定期的に、かつ必要に応じて、随時、内部監査を行い、経営トップに報告すること。
 六 経営トップ等に対し、輸送の安全の確保に関し、以下の必要な改善に関する意見を述べる等、必要な改善の措置を講じること。
 ・安全重点施策の進捗達成状況(輸送の安全に関する計画及び実績表)
 ・情報伝達及びコミュニケーションの確保の状況(運行指示書、点呼実施記録簿、本社通達、営業所回覧等)
 ・事故クレームの発生状況(お客様の声アンケート、事故クレーム報告書)
 ・是正処置及び予防措置の実施状況(是正処置報告書)
 ・安全管理体制の維持改善の必要性の有無(マネージメントレビュー報告書)
 ・内部監査の結果(内部監査報告書)
 ・現場からの改善提案(口頭メモ等)
 ・マネジメントレビューの結果に対する改善状況(是正処置報告書)
 ・外部からの安全に関する要望苦情(お客様の声アンケート、事故クレーム報告書)
 ・その他必要な情報(口頭メモ等)
 七 運行管理が適正に行われるよう、運行管理者を統括管理すること。
 八 整備管理が適正に行われるよう、整備管理者を統括管理すること。
 九 輸送の安全を確保するため、従業員に対して必要な教育又は研修の指示を行うこと。
 十 その他の輸送の安全の確保に関する統括管理を行うこと。

第四章 輸送の安全を確保するための事業の実施及びその管理の方法

(輸送の安全に関する安全重点施策の実施) 
第十一条 輸送の安全に関する基本的な方針に基づき、輸送の安全に関する目標(第五条)を達成すべく、輸送の安全に関する計画(第六条)に従い、輸送の安全に関する安全重点施策(第四条)を着実に実施する。
 
(輸送の安全に関する情報の共有及び伝達とコミュニケーションの確保)
第十二条 経営トップは、現場巡回等を用いて、運行管理者や運転者等との双方向の意思疎通を十分に行うことにより、輸送の安全に関する情報が適時適切に社内において伝達され、共有されるように努める。また、安全性を損なうような事態を発見した場合には、看過したり、隠蔽したりせず、直ちに関係者に伝え、適切な対処策を講じる。さらに、「添乗確認」「街頭指導」「内部監査」により伝達機能の効果を検証し、「マネジメントレビュー(経営会議)」にて見直しを行う。
2 経営トップは、バス利用者等に対するシートベルトの着用等の安全啓発活動を、乗務員のアナウンスや車 内への掲示により、必要に応じて適時適切に行う。
3 経営トップは、収集した事故クレーム情報やヒヤリハット情報、及び、安全確保に関する情報のデータベース化を図り、必要に応じて、各要員が情報共有する為のアクセス手段を確保する。
4 経営トップは、現場巡視により乗務員への声掛けを行い、事故に繋がる現場の課題や問題点等を直接吸い上げ、必要な対策を講じ、輸送の安全の維持向上に努める。
5 経営トップは、関係法令等に従い、事業所において輸送の安全を確保するために講じた措置、講じようとする措置等の輸送の安全にかかわる第十七条の情報を、外部に対して公表する。
6 お客様からの要望等については、ホームページに設置したメールにより収集し、必要に応じて対策を講じる。
7 「会議コミュニケーション一覧表」において得られた安全に関する情報については、適宜、必要に応じて社内で共有する。

(事故、災害等に関する報告連絡体制)
第十三条 事故、災害等が発生した場合における当該事故、災害等に関する報告連絡体制は、「重大事故・事件発生時の緊急連絡体制」に定めるところによる。
2 経営トップは、重大事故等を想定した対応訓練を必要に応じ実施し、事故、災害等に関する報告が、安全統括管理者、経営トップ又は社内の必要な部局等に速やかに伝達されるように努める。
3 安全統括管理者は、社内において報告連絡体制の周知を図るとともに、第一項の報告連絡体制が十分に機能し、事故、災害等が発生した後の対応が円滑に進むよう検証し、必要な指示等を行うとともに適宜見直し改善を実施する。
4 自動車事故報告規則(昭和二十六年運輸省令第百四号)に定める事故、災害等があった場合は、当該営業所長が、報告規則の規定に基づき、国土交通大臣へ必要な報告又は届出を行う。

(輸送の安全に関する教育及び研修)
第十四条 経営トップ及び安全統括管理者は、第五条の輸送の安全に関する目標を達成するため、必要となる人材育成のための以下の教育及び研修に関する具体的な計画を策定し、着実に実施し、その効果(理解度・有効性)を把握し、必要に応じて見直し改善を実施する。
 ・経営部門及び安全管理部門に対する運輸安全マネジメントに関する内容
 ・各従業員の必要な能力維持のための内容
 ・重大な事故体験を共有するための内容
2  所属従業員が教育訓練に対象者として参加した場合は、その所属長が、「教育訓練実施報告書」を作成し、安全統括管理者へ報告する。また、経営トップ及び経営管理部門が対象者の場合は、安全統括管理者が「教育訓練実施報告書」を作成する。
3 安全統括管理者が、前項の報告を確認した際は、「教育訓練計画及び実施結果表」に必要事項を記録し、進捗状況を把握するとともに、「教育訓練実施報告書」と併せて経営トップへ報告する。
4 乗務員への教育については、「運転者指導要領」に基づき、当該営業所の運行管理者が実施する

(輸送の安全に関する関係法令遵守の確保と内部監査)
第十五条 経営トップ及び安全統括管理者は、自ら又は安全統括管理者が指名する者を実施責任者として、法令遵守状況の確認及び安全マネジメントの実施状況等を点検するため、少なくとも一年に一回以上、「内部監査手順書等」により適切な時期を定めて輸送の安全に関する内部監査を実施する。
また、重大な事故、災害等が発生した場合、又は、同種の事故、災害等が繰り返し発生した場合、その他特に必要と認められる場合には、緊急に輸送の安全に関する内部監査を実施する。
2 安全統括管理者は、前項の内部監査が終了した場合は、その結果を、改善すべき事項が認められた場合は、その内容を速やかに経営トップに報告するとともに、輸送の安全の確保のために必要な方策を検討し、必要に応じ緊急の是正措置又は予防措置を講じる。
3 事業者は、内部監査を効果的に実施するため、「内部監査要員」へは、 内部監査の方法等について、必要な教育・訓練を実施する。
4 内部監査の実施に当たっては、必要に応じ、経営トップ等がその重要性を事業者内部へ周知徹底する等の支援を行う。

(輸送の安全に関する業務のマネジメントレビューと継続的改善)
第十六条 経営トップは、安全統括管理者から事故・災害等に関する報告、又は、前条の内部監査の結果や改善すべき事項の報告があった場合、若しくは、輸送の安全の確保のために必要と認める場合には、輸送の安全の確保のために必要な改善に関する方策を検討し、是正措置又は予防措置を講じる。
2 経営トップは、悪質な法令違反等により重大事故を起こした場合には、安全対策全般又は必要な事項において、現在よりも更に高度の安全の確保のための措置を講じる。
3 経営トップは、安全管理体制の継続的改善を図るため、少なくとも年一回、グループ企業での経営会議にて、以下の項目(インプット)を確認し、アウトプットとして投資計画等の必要な見直し改善事項を決定し、次年度の安全重点施策を策定する。
 ・従業員への安全方針の浸透定着の状況
 ・安全重点施策の進捗達成状況
 ・情報伝達及びコミュニケーションの確保の状況
 ・事故クレーム等の発生状況
 ・是正処置及び予防措置の実施状況
 ・安全管理体制の維持改善の必要性の有無
 ・内部監査の結果
 ・現場からの改善提案
 ・マネジメントレビューの結果に対する改善状況
 ・外部からの安全に関する要望苦情
 ・国の監査結果や評価結果
 ・その他必要な情報
  
(情報の公開)
第十七条 経営トップは、以下の輸送の安全に関する事項について、毎事業度の経過後百日以内に外部に対し公表する。
 ・輸送の安全に関する基本的な方針
 ・輸送の安全に関する目標及び当該目標の達成状況
 ・自動車事故報告規則第二条に規定する事故に関する統計
 ・安全管理規程
 ・輸送の安全のために講じた措置及び講じようとする措置
 ・輸送の安全に係る情報の伝達体制及びその他の組織体制
 ・輸送の安全に関する教育及び研修の実施状況
 ・輸送の安全に関する内部監査の結果並びにそれに基づき講じた措置及び講じようとする措置
 ・安全統括管理者に係る情報
2 経営トップは、事故発生後における再発防止策等、行政処分後に輸送の安全の確保のために講じた改善状況について国土交通省に報告した場合には、速やかに外部に対し公表する。

(輸送の安全に関する文書記録の管理等)
第十八条 本規程を含む輸送の安全に関する文書(規程及び手順書等)については、業務の実態に応じ、「文書記録管理規程」により定期的に及び適時適切に見直しを行う。
2 法令の定めに該当しない場合においても、輸送の安全に関する以下の文書記録類については、適宜確実に記録し、これを適切に保存する。
 ・輸送の安全に関する事業運営上の方針の作成に当たっての会議の議事録、
 ・報告連絡体制
 ・事故、災害等の報告、安全統括管理者の指示
 ・内部監査の結果
 ・経営トップに報告した是正措置又は予防措置
3 前項に掲げる情報、その他の輸送の安全に関する情報に関する記録及び保存の方法は、「文書記録管理規程」に定める。
4 運輸安全マネジメントに関する全ての文書記録については、安全統括管理者が「文書記録管理表」により適宜必要に応じて管理する。

(事故、ヒヤリハット情報の収集・活用) 
第十九条 経営トップは、常に輸送の安全を確保するため、事故やヒヤリハットの情報を収集し、リスク管理の取組として活用する。
2 経営トップは、前項の円滑かつ有効な実施に向けての予算を確保し、リスク管理の必要性を全従業員に理解させ、目的意識が共有されるような環境整備を図る。
3 全従業員は、事故クレームもしくはヒヤリハットが発生した場合には、「事故ヒヤリハット処理規程」に基づき、定められた事項を実施することにより、全従業員で事故クレームの再発防止の為に取り組む。

(管理の受委託について)
第二十条 管理の受委託の実施にあたっては、委託者・受託者それぞれが輸送の安全の確保を阻害するような行為は行わない。また、相互に協力・連携して輸送の安全性の向上に努める。

(附 則)
本規定は、平成29年2月8日から実施する。

平成28年4月1日  初版制定
平成28年10月18日 第二版改訂
平成29年3月1日 第三版改訂

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